山の素材で紡ぐ日々|「花香房」佐藤秀夫さん・智江さんの手仕事
花香房・佐藤秀夫さん
岩手県遠野市宮守、山々に囲まれた自然豊かな地で暮らす佐藤秀夫さんと智江さんご夫婦。畑で野菜を育てたり、山で山菜を採ったり、自分たちの食べるものや使うものを自然の恵みを活かして手作りしています。そんな、お二人のたくましくもゆったりとした生活をご紹介します。
薪を割る秀夫さん。
佐藤さんご夫妻は「花香房」の名で手仕事の作家としても活動しています。秀夫さんは山ぶどうやクルミの樹皮を使ったかご作り、智江さんは古布を使った裂織りの洋服や暮らしの道具を手がけています。
秀夫さんの葡萄かご・胡桃かご
籠を編むのはとても根気がいる作業。着実に、丁寧に編みこんでいます。
秀夫さんは、厳しい冬を乗り切るための薪や旬の食材など、暮らしに必要なものをすべて山から調達します。かご作りの材料となる胡桃や葡萄蔓も、もちろん近隣の山に自ら入り、籠作りに最適なものを厳選して調達しています。材料の調達から制作まで、すべて自分の手で行う秀夫さん。一つの籠が完成するまでにはおよそ二か月かかります。自然と向き合いながらも、その優しく温厚な人柄が籠からも感じられます。
葡萄かご ゴザ目
先日、秀夫さんのご自宅へ籠の買い付けにお邪魔しました。秀夫さんから籠の作り方や制作へのこだわり、材料のことなどを教えていただきながら、大きさや形、使い勝手の良さを考慮して、長く使えるデザインのものを選ばせていただきました。どれも素敵な作品ばかりで、選ぶのがとても難しかったです。
話している間にも、次々と作品がうまれます。
秀夫さんの籠は、使い込むほどに手の脂が馴染んで光沢感のある飴色に変化していきます。お手入れには胡桃油を塗るのがおすすめだそうです。使うほどに味わいが深まり、自分だけの特別な一品に育っていきます。
山の恵みを活かした暮らし
料理上手な智江さん。一度食べるとみんな智江さんのファンに。
商品を選んでいる間にも、智江さんが手料理を準備してくださいました。
初めて食べる原木しいたけの美味しさに驚きました。
食材はご夫妻が育てた野菜や山で収穫したキノコや山菜を使った料理で、身体が喜ぶような健康的で美味しい食事でした。
秀夫さんの籠、オンライン販売開始予定
現在は縁日の店舗でのみ販売している秀夫さんの胡桃かごや葡萄かごですが、まもなくオンラインでも販売開始いたします。製作に時間がかかるため少しずつのご用意となりますが、ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。販売開始までもう少々お待ちくださいませ。
佐藤さんご夫妻の手仕事と暮らしの中で生まれる作品たちが、皆さまの手元に届くのを楽しみにしています。どうぞお楽しみに。