暮らしのあれやこれや

細越さんに聞く漆のお話

岩手県は国産漆の7割を生産しているほどの漆大国です。

秀衡塗や浄法寺塗りなど、漆器作りも盛んな地域です。

国産漆は国の重要文化財などの修復に使われています。

漆の木から『殺し掻き(ころしがき)』と言われる方法で採取した樹液を使用していきますが、樹液を採集した木は死んでしまいます。
『殺し掻き』の名前の通りに、木を殺して樹液を採取していきます。

樹液を採取した漆の木は、ほとんど活用されず一部薪などに活用される程度でした。

なぜ活用されなかったかというと、漆の木はカブれるために林業では厄介者とされてきたことと、樹液が強いため木を切る機械を悪くする恐れがあるということが主な理由とのことでした。

山の貴重な資源をもっと有効に活用できないかと次世代漆協会の細越さんは考え、漆の木の黄色い色に注目しました。

漆の木をチップ状に砕き、煮出すととても良い色がとれます。

まだまだ注目されていない漆染めでしたが、岩手らしい色を作るために京屋染物店で研究を重ね今の漆染めに辿りつきました。

漆染めは色合いも素敵ですが、染めるほどに漆の木の利活用に繋がり、さらに漆の木を購入しているので、その財源が漆生産者さんのお給料や植樹活動にも繋がる染物です。

岩手らしい色で、自然と経済の循環のサイクルを作ることにも繋がっています。

次世代協会の細越さんを訪ね、漆の現状と漆染めの可能性についてお伺いしたものを短い動画にまとめました。

ぜひご覧くださいませ。

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