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【商品紹介】岩手県で害獣駆除された鹿の革で作られる「山と人とを繋ぐ革製品」

12月12日は「山の神の日」。そんな日にen・nichiより新ライン「山ノ頂」のアイテムが新発売となります。山ノ頂とは、岩手県で害獣駆除された鹿の革で作られる「山と人とを繋ぐ革製品」です。今回は害獣駆除された鹿の革を使う理由や、山と人を繋ぐとはどういうことかについて、お話しさせていただきます。また新発売となるアイテムの詳細もご紹介いたします。


『害獣駆除された鹿の革』を使う理由

岩手県では鹿や猪による農作物被害は4億を超える深刻な問題に直面しています。そのほとんどが鹿による被害です。農業や林業でも鹿による被害は問題視されており、害獣駆除という形で生息数をコントロールする活動も積極的に行われています。しかし、その9割は焼却か埋葬という形で廃棄されている状況です。

かつて厳しい寒冷の土地である岩手の人々にとって、鹿は大切な資源でした。肉は食料として、革はとても丈夫で防水性に優れているため、マタギが狩猟の際に使用する、鉄砲の玉入れ(火口入れ)として使われてきました。先人たちも「もったいないから活用する」ということだけではなく、素晴らしい素材が身近にあり「価値あるものを価値あるものとして活用したい」という思いがあったと思います。

鹿の革は「革のカシミア」と呼ばれるほど、しなやかで上質な素材です。山ノ頂は害獣駆除された鹿の命を、ものづくりを通し、価値あるものとしてお届けするプロダクトです。


『山と人を繋ぐ』とは

岩手の先人たちは、鹿に対する可愛らしさや愛着を感じながらも、自分たちの生きる糧としてその命を頂きました。そんな矛盾や葛藤を丸ごと抱えていたからこそ、命への感謝や本当の意味での「いただきます」があったのではないでしょうか。岩手では「鹿踊り」という踊りをはじめとする、山の獣の命に感謝し弔い、自然に感謝する郷土芸能が盛んに行われています。

「両者の痛みと喜びの間に生きることの大切さ」それは人と獣が同じ山で生きていた頃の当たり前でしたが、現代では失われつつある感覚です。岩手に伝わる「鹿踊り」のように、人も鹿も同じ世界に生きる対等な命であることを見つめ、山から頂いている命に感謝を込めた思いを、ものづくりに込めたものが山ノ頂です。

山ノ頂に使われる鹿の革の傷は、あえて残しています。一般的には使われない部分ですが、それらは野生に生きた鹿一頭一頭のストーリーを感じることができる魅力の1つです。山ノ頂は実際に山に入らずとも、里や町で生きる私たちと、山で生きる獣たちとの繋がりを感じることができるアイテムです。


商品紹介

今回発売となる山ノ頂のアイテムは「KOMONO-IRE」「HOGUCHI-IRE」「TESAGE」の3種類です。またそれぞれ「炭色」「銀鼠色」「ニビ色」、3色の色展開がございます。それぞれの詳細につきましてご紹介させていただきます。

■KOMONO-IRE


柔らかな鹿皮が、繊細なものも優しく包んでくれる小物入れ。シンプルな作りで使いやすく、鹿皮の質感が際立つアイテムに仕上がりました。開口部はバネ口仕様です。片手で握るようにするだけで、簡単に開け閉めすることができます。

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■HOGUCHI-IRE


「火口入れ(ホグチイレ)」とは、マタギの商売道具である火薬を雨から守る、丈夫な巾着のこと。それをベースに、現代でも使える巾着タイプの小物入れとして製作しました。口元をキュッと萎ませることができるので、中の物が飛び出してしまう心配はありません。

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■TESAGE


スマホ、お財布、鍵など、身近な必需品をこれ一つにまとめお出かけできる、ちょうど良いサイズの手提げバッグです。持ち手は、鹿皮に手縫いの飾り縫いを施し、その凹凸が滑り止めになり、快適に持ち歩くことができます。紐は綿麻素材を使用し、長さ調節が可能です。

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