岩手県は国産漆の一大産地。
秀衡塗や浄法寺塗など、漆に根ざした文化が今も息づいています。

私たちが“漆”として親しんでいる塗料は、ウルシノキから採れる樹液によってつくられます。
しかし、その樹液を採り切った後のウルシノキは、多くの場合そこで役目を終え、伐採されるのが従来の流れでした。
かつては薪にされる程度で、十分に活かされてこなかったと言われています。
漆の木がかぶれを引き起こすこと、樹液が強く伐採機械を傷める恐れがあることなどから、林業では扱いづらい存在でもありました。

そんな中で、次世代漆協会の細越さんが、漆の木に眠る“黄色い色素”に着目し、「削り屑を煮出すと、深く美しい色が生まれる」ということを教えてくださり、新たな活用の道が開かれました。
縁日では、まだ注目されていなかったこの漆染めの手法を、岩手らしい色づくりとして研究し、今日の染めへと育ててきました。
今年度も、多くの漆の木を活かすことができました

漆染めに使うのは、ウルシノキをチップ状にした削り屑。
この削り屑を煮出し、自然がもつ色を抽出し、布を染め上げています。
2025年度に縁日が活用した漆チップは 約90kg。
これは、直径15cm・長さ2mほどのウルシノキの丸太5本分に相当します。
本来であれば廃棄されてしまう木が、“色”として生まれ直していく。
その循環は、染めを超えて、植樹や後継者育成を支える経済循環にもつながっています。
そして何より、たくさんのお客様が漆染めを手に取ってくださったからこそ、この循環が成り立っています。
心から感謝申し上げます。
これからも、岩手の色を大切に育てていきます

漆染めは、岩手の土地の色。
柔らかく、やさしく、そして力強い色です。
漆の木のいのちを最後まで受け取りながら、これからも、この土地とつながる循環を大切に育てていきます。
縁日の漆染めを手に取ってくださるすべての皆さまへ。
本当にありがとうございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。