先月1月7日、大安の日。
久しぶりに訪れた栗駒・文字地区はうっすらと雪が残った冬の景色。
正藍冷染を継ぐ千葉正一さんの工房で、年はじめの仕事として行われた「藍寝せ」の作業をレポートします。

朝9時頃に正一さんのお家に着くと、家の前の溜め池に藍の葉が詰まった袋がたくさん浮かんでいました。
昨年収穫し乾燥させておいた葉を、1袋にだいたい1kgずつ。
ざっと40袋なので、藍の葉40kg分を水に浸していきます。

昨年は雨が少ない猛暑で畑の藍の育ちも難しかったと聞いていたので、どうなのだろう、と思っていましたが、
なんとか例年と同じくらいの量を作業できているとのこと。
正一さんはじめ、皆さんで丁寧に藍の世話や収穫に取り組んできたそうです。
この日は正一さんと、お手伝いしている方々が揃い、作業を進めていました。

工房には、束ねた稲藁で囲われた、あたたかそうな室(むろ)が準備されていました。
この稲藁も、正一さんが育てたお米の稲藁。
ここに藍の葉を敷き詰めていきます。


この日の「藍寝せ」という作業は、藍の葉を発酵させて「蒅(すくも)」にするためのもの。
納豆作りでは納豆菌が、日本酒作りでは麹菌がそれぞれ作用して発酵していくように、
藍にも藍の菌がいて、発酵によって葉っぱが染料として使える蒅の状態になっていきます。
空気が入ると腐ってしまう原因になるから、正一さんが室の中に入って、足で葉っぱを踏みしめ空気を抜きながら隙間なく敷き詰めていく。
正一さんはたまに葉を掬ってじっとみたり匂いを嗅いだりして藍の葉の状態を確認しているようでした。



釜で沸かしたお湯を少しずつ葉の上に撒いてあげながら、
そうして全部の葉を入れ終わると、高さは1m弱くらいに積み上がりました。
その上に毛布と稲藁をかけてあったかくしてあげて、重しを乗せて蓋をします。


この日の作業はここまで。
ここから10日もするとどんどん熱が上がってきて、35~6度にまで上がると窓に結露が出て、
それが「藍かまし(天地返し)」という藍の葉を混ぜる作業の合図となる。
発酵の進み具合を見極めながら春までに2回ほど藍かましを行い、あとは自然と熱が下がるのを待ちます。
4月にはまた藍玉づくりができるようになるとのこと。
作業の終わり際、工房の一斗缶にたくさん入った「アク」を見せてもらいました。

「今年は良いアクがとれた。一番心配しているのはこれだから。」
ナラの木の灰を火鉢で燃して、表面の固まった部分がアクになる。
この冬の間、1か月ほど毎日火鉢の火を絶やさず、少しずつとったものだそうです。

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その後、「窓に結露が出たので、天地返しをします」という連絡があり、あいにく行くことはできませんでしたが、順調に進んでいるよう。
染めに入るまでにはまだまだやることはあって、その作業に私たちもなかなか頻繁には足を運べないのが残念ですが、正藍冷染の仕事初めに立ち合わせていただき、今年の正一さんの染めがより楽しみになりました。
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2026.01.07 取材
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※今年も6月になったら別アイテムを染めていただく予定です◎