暮らしのあれやこれや

ものづくりについて

1/3ページ

漆染めに込めた循環と感謝を込めて ― 2025年度・漆材活用のご報告

岩手県は国産漆の一大産地。 秀衡塗や浄法寺塗など、漆に根ざした文化が今も息づいています。 私たちが“漆”として親しんでいる塗料は、ウルシノキから採れる樹液によってつくられます。 しかし、その樹液を採り切った後のウルシノキは、多くの場合そこで役目を終え、伐採されるのが従来の流れでした。 かつては薪にされる程度で、十分に活かされてこなかったと言われています。 漆の木がかぶれを引き起こすこと、樹液が強く […]

  • 2026.02.15

正藍冷染の年初め。『藍寝せ』に立ち会いました。

先月1月7日、大安の日。 久しぶりに訪れた栗駒・文字地区はうっすらと雪が残った冬の景色。 正藍冷染を継ぐ千葉正一さんの工房で、年はじめの仕事として行われた「藍寝せ」の作業をレポートします。 朝9時頃に正一さんのお家に着くと、家の前の溜め池に藍の葉が詰まった袋がたくさん浮かんでいました。 昨年収穫し乾燥させておいた葉を、1袋にだいたい1kgずつ。 ざっと40袋なので、藍の葉40kg分を水に浸していき […]

針に、ひと休みを。2月8日は「針供養」の日

2月8日は「針供養(はりくよう)」の日。 折れたり、曲がったり、錆びてしまったりして、もう使えなくなった縫い針をねぎらい感謝を込めて送り出す行事です。 やわらかな豆腐やこんにゃくにそっと針を刺すのは、“固い生地を刺し続けてきた針の身体を休めてもらうため”。 昔の人の、道具へのまなざしがそのまま形になった風習です。 私たちも、針に限らず、日々たくさんの道具を使いながら服をつくっています。 ミシン、裁 […]

山ノ頂 ― 岩手の鹿革と、活用の輪をひろげるために

岩手では、野生のシカが増えすぎていることが大きな課題になっています。 年間でおよそ2万8,000頭近くが駆除されており、その背景には深刻な影響があります。 農作物を食べ尽くしてしまう被害。 牧草地が荒れ、林業の木が育たなくなる問題。 さらに、高山植物などの貴重な植生が食べられて消えてしまうケースも。 下草がなくなることで土砂が流れやすくなり、山の環境そのものが弱くなっていく。 こうした「生態系のゆ […]

山ノ頂  - 岩手の鹿革と、生きた痕跡を受け取るものづくり-

自然の中で生きてきた鹿の革には、必ずと言っていいほど“傷”があります。 藪を駆け抜けたときについた擦り傷、オス同士が角をぶつけ合った痕、虫に刺された跡などなど。 それらは、野生の中で生きてきた証として革に刻まれ、まるで「物語」のように残っています。 けれど、革の世界ではこの傷が理由で、流通がとても難しくなるのが現実です。 傷を弾けば弾くほどロスは増え、価格は高騰する。 さらに、鹿は牛より体が小さく […]

  • 2025.09.26

そっと巻いて、やさしく温かい。鄙子さんのガラ紡マフラー

岩手・奥州市で暮らす織り手、坂口鄙子(さかぐち ひなこ)さんの「ガラ紡マフラー」をオンラインでもご紹介できるようになりました。 秋口から春先まで、毎日の外出にちょうどいい相棒です。   鄙子さんのガラ紡マフラー ガラ紡糸は、明治時代に日本で生まれた小さな紡績機でつくられた糸。糸の太さに自然なムラがあり、空気をたっぷり含むから、綿なのに、ふわっと軽く、あたたかい。 コットンなので、チクチク […]

  • 2025.09.20

山の素材で紡ぐ日々|「花香房」佐藤秀夫さん・智江さんの手仕事

山の素材で紡ぐ日々|「花香房」佐藤秀夫さん・智江さんの手仕事 花香房・佐藤秀夫さん 岩手県遠野市宮守、山々に囲まれた自然豊かな地で暮らす佐藤秀夫さんと智江さんご夫婦。畑で野菜を育てたり、山で山菜を採ったり、自分たちの食べるものや使うものを自然の恵みを活かして手作りしています。そんな、お二人のたくましくもゆったりとした生活をご紹介します。   薪を割る秀夫さん。 佐藤さんご夫妻は「花香房」 […]

  • 2025.09.11

DOWN HIFU coat ができるまで

DOWN HIFU coat 先日、岩手・宮古にある縫製工場、クラスターさんへお邪魔しました。ここで仕立てているのが、縁日とHayachine Made(クラスターさんの自社ブランド)がご一緒してつくる《DOWN HIFU coat》。和装の上衣「被布(ひふ)コート」の形をベースに、軽くてあたたかなダウンを日常に馴染むコートへと仕立てた一着です。南極観測隊のジャケットやパリコレ参加ブランドのOEM […]

栗駒文字、日本にただ一軒つづく正藍冷染を訪ねて。 [2]

「うちの言い伝えでは、そうあるんですよ。」 正一さんの口からはよくこの言葉を聞いた。 初代あやのさんの頃から千葉家に代々受け継がれてきた正藍冷染。 小さい頃からその手仕事を間近で見て育った正一さんが本格的にそれを継いだのは、定年まで勤め上げた仕事を退職した、65歳の時。 代々伝わる言い伝えに習って、 春から夏には畑で藍を育て、 冬には藍建に使うアクを作り、 年明けに藍の葉を発酵させつくった蒅を、 […]

栗駒文字、日本にただ一軒つづく正藍冷染を訪ねて。 [1]

宮城県栗原市・文字地区。 今年の4月、文字地区の千葉家に伝わる「正藍冷染(しょうあいひやぞめ)」を学びに、千葉正一さんの工房を訪ねた。 ご縁をつないでくれたのは、秋田公立美術大学修了・東北の染織や地域文化を研究する鈴木望美さん。 暮らしの中の衣服と染織、そこにある地域や人の営みを研究している望美さんは、自身の研究を深めるために昨年から足繁く正一さんの元に通い、正藍冷染について一つ一つの工程を間近で […]

1 3