SAPPAKAMAを何着作るのがみんなにとって良いだろうか?ということを考えています。
SAPPAKAMAを年間で作る数・販売する数の上限を定めることにしたので、そのお知らせです。
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SAPPAKAMAは、京屋染物店が縁日というブランドを始めたそのスタートアップからある商品で、毎年少しずつブラッシュアップを重ねながらじっくり育ててきました。
野良着を原型にしているSAPPAKAMAは、普通のパンツとは少し違った見た目もあってか、最初から大衆受けする商品ではありませんでした。たまに在庫を作れば十分足りてしまう、それくらいでした。
それでも使い心地の良さと、それがある暮らしに共感してくれた一握りのユーザーの皆さんから始まり、口づてや縁日のお店を介してゆっくりじわじわとその輪を広げてきました。
なかなか売れなかったSAPPAKAMAも、今はありがたいことに縁日の定番商品です。
SAPPAKAMAを履いてくれる方が増えるたびに、縁日の仲間が増えたような嬉しい気持ちになります。
そんな仲間がもっと増えてくれたら嬉しいと期待しつつも、野良着というジャンルのニッチさもわかっているつもりですし、自分たちの製造体制を考えても、大きなアパレルブランドのような大量生産・大量消費は今後も目指すところではありません。
これまでもそうだったように、これからもSAPPAKAMAが広く大衆に向かう商品になることはきっとないでしょう。
だからこそ、縁日の価値観に共感して一緒に歩んでくれる皆さんに、今後もしっかり届け続けていける商品でありたいと思っています。
心地よい生産数
昨年は予想以上の反響に嬉しい気持ち反面、生産が追いつかずに受注生産という形をとり、長い期間お待たせしてしまっている状況に心苦しさもありました。
今は私たちにできる範囲で中量生産の体制を整え、少し在庫は安定し始めています。
たくさん作ってたくさん売れればもちろん嬉しいことですが、今の京屋染物店の職人たちの数や、協力してくれている関係会社さんの体制を考えると、目に見えない需要を追いかけながら大量に作って売るスタイルには無理が生じてしまうというのが正直なところです。
作り手も疲弊しすぎることなく、欲しい人たちにもしっかりお届けできる。
作り手と使い手、両者にとって「心地よい生産数(=Comfortable Production Number)」を年間で定めて、その決めた数量を作り販売していこうと考えました。
2025年のSAPPAKAMAの心地よい生産数
Comfortable Production Number
= 『 1600着 』
1600着を売り切ったら今年は販売終了となります。
多いような少ないような数字ですが、製造と需要とのバランスを見ながら決めました。
●作り手への良いこと:
今までも年間の生産数の目安は設定していましたが、「上限」は設定していませんでした。
そのため予定よりも売れ行きがあり在庫が足りなくなった時に、追加で作らなければ!となり、予定になかった急な製造で作り手への負担が大きくなってしまうことがありました。
急ぎで追加の商品を作っているうちに他の商品に手が回らなくなり、そちらも欠品になってお客様をお待たせしてしまうという悪循環もありました。
はじめに明確な上限を決めることで、製造計画が立てやすく、無理な製造スケジュールで動くことも減り、職人たちや関係者の方に心地よく仕事をしてもらえるようになればと期待しています。
●使い手への良いこと:
昨年はSAPPAKAMAの在庫がないという状況によって、ユーザーの皆さんにも「今買っておかなければいつ買えなくなってしまうかわからない」という見えない焦りを与えてしまっていたのではないかと思います。
まず今年は安定した在庫を保ち、皆さんが焦らずにお買い物ができる状態を目指します。
また今回、1600着の上限があるということで急いで買わなくちゃと思う方がいるかもしれませんが、1600という数字は昨年の販売数に比べても少しゆとりのある数字です。
焦って無理して買わなくちゃいけない数ではないはずなので、その点はご安心ください。
上限を定めつつも、あらかじめこうしてアナウンスして生産数・販売数を見える化しておくことで、愛用してくださっているユーザーの皆さんに届けやすくなればいいなと思っています。
途中経過も何かしらの形で見えるようにするor定期報告する予定です。
焦らず自分のタイミングでお買い求めいただくことで、より多くのユーザーさんに公平にお届けすることができます。
その点はご協力をお願いいたします。
つくる・売る上限を最初に決めてしまうのは私たちもはじめての試みですが、お互いにとって良い状況が作れたら幸いです。