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DOWN HIFU coat ができるまで

  • 2025.09.11
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DOWN HIFU coatメインビジュアル
DOWN HIFU coat

先日、岩手・宮古にある縫製工場、クラスターさんへお邪魔しました。ここで仕立てているのが、縁日とHayachine Made(クラスターさんの自社ブランド)がご一緒してつくる《DOWN HIFU coat》。和装の上衣「被布(ひふ)コート」の形をベースに、軽くてあたたかなダウンを日常に馴染むコートへと仕立てた一着です。南極観測隊のジャケットやパリコレ参加ブランドのOEMも手がける現場で、その“良い手間”が一つひとつ形になっていきます。

岩手・宮古の縫製工場 クラスターさんへ。
岩手・宮古の縫製工場 クラスターさんへ。

現場には約30名のスタッフさん。「ポケット担当」「袖担当」と分業され、一つひとつのパーツが驚く速さで、しかもびしっと美しく仕上がっていく様子に圧倒されました。

現場の分業体制
リズム良く、パーツが次々と仕上がっていく。

「一工程増えるけど、この方が綺麗だから」
そんなひと手間を惜しまない姿勢に、多くのブランドから信頼される理由を実感しました。

クラスター代表・小林さん
代表の小林さん

​1989年から、宮古でものづくりを続けて

クラスターさんは1989年創業。婦人服の縫製からスタートし、2011年にダウンウエア専門工場へ本格転換しました。東日本大震災の直後には、流通の混乱が続く中でも操業を再開。のちにカタログ誌の企画でダウン製作を担当し、5年間で1万着以上を手がけるなど、技術を磨き続けてきたそうです。

縫製職人さん

その過程では、2016年の台風10号で工場が浸水し機材に被害が出るなど大きな困難も。それでも再建に向けて踏ん張り、コロナ禍には医療用ガウンやマスクの受注にも取り組みながら、2021年に自社ブランド「Hayachine Made(ハヤチネメイド)」を立ち上げました。さらに2022年度グッドデザイン賞を受賞した「オーセンティックダウンジャケット」など、宮古発の新しい挑戦が広がっています。

1989年創業の看板(イメージ)
創業からの歩みを静かに見守る看板。

最近は、刺し子生地などの伝統素材も積極的に取り入れています。量産効率ではなく「良さ」を優先するつくり方は、縁日のものづくりとも通じるところ。私たちが惹かれる理由は、ここにもありました。

​ダウンって、どんな素材?

詰める前のダウンを見せていただきました。ダウンとは、水鳥の胸やお腹まわりに生えている、柔らかくて細かい毛のこと。ふわふわしたタンポポの綿毛のような形なので、空気をたっぷり含むことができ、軽くて暖かいのが特徴です。

実際に触らせていただくと、両手いっぱいに持ってもほとんど重さを感じないくらい軽く、ふわふわでした。

詰める前のダウンの軽さ(イメージ)
軽くて、ふわふわで、あたたかい。

DOWN HIFU coatのダウンはイギリス産の食用鴨の副産物として出るダックダウンです。

​被布(ひふ)コートって、なに?

被布コートは、秋冬の祭りなどで法被・半纏の上から羽織る防寒用の上衣。

私たち縁日は、お祭り衣装を長年つくり続けてきた京屋染物店から生まれたブランド。法被や半纏とともに、被布コートも数多く仕立ててきました。つくり続けてきた知見が、いまの暮らしに寄り添う被布コートのデザインに活きています。

​Hayachine Made × 縁日「DOWN HIFU coat」

この秋冬、クラスターさんの自社ブランドHayachine Madeと縁日がご一緒して、特別な一着をお届けします。京屋染物店で染めた刺子生地を用い、被布の意匠を日常に馴染むダウンへと仕立てた《DOWN HIFU coat》です。宮古で見た“ひと手間”の積み重ねを、そのまま一着の中に閉じ込めました。

工場訪問のスナップ(イメージ)
宮古で出会った“良い手間”を、一着に。

受注開始は9月18日(木)、お届けは12月中旬を予定しております。
また、9月13日(土)-15日(月)には盛岡のパルクアベニュー・カワトクにて先行受注会を開催します。
楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。