野に根づく営みを、次の世代へ
地域の自然や文化が、静かにその姿を変え、失われつつある今。
山や川、里山の知恵や暮らし、鹿踊や狩猟文化、手仕事など、この土地に根づく営みは数多くありますが、継承の道は決して平坦ではありません。
野祭は、「地域文化と暮らしを未来へ手渡したい」という理念のもと、これまでの“ヘンバイバライ”で培ってきた流れを受け継ぎながら、より多様な体験・交流・創造を加えた新しい祝祭として立ち上がりました。
今こそ、土地と身体、自然と文化、人と人とのつながりを取り戻すときです。
野祭はその一歩を踏み出す祭です。
開催日程
●日時
2025年11月2日(日) 11:00〜17:00頃まで
※荒天時/ 11月9日(日)に順延。天候により開催内容は変更になる場合があります。
●場所
縁日(〒021-0041 一関市赤荻字笹谷275)
※雨天時/一関市山目市民センター 笹谷分館(〒021-0041 一関市赤荻字笹谷28−1)
●参加
無料(お気持ちチケット制あり)
野祭へご参加の方は、参加申し込みフォームからのエントリーをお願いします▼
https://forms.gle/67cPCfkRg6pFGCam7
主なプログラム
【10/20 – 11/2】
●アーティスト・イン・レジデンス(永沢碧衣):地域滞在とフィールドワークを通じての作品制作。11/2は作品展示とトークも
【10/26 (前祭)】
●シシオドリワークショップ/永沢碧衣ワークショップ
【11/2 (本祭)】
●鹿踊り/演舞と衣装や踊りの体験
●マルシェ/地元食材を使った料理や加工品の販売
●ハンギ料理体験/土地の恵みを土の力で調理し「食べる」
●イワナ掴み取り&鹿肉解体体験/自然・狩猟文化を感じる体験
●クラフト/鹿角や熊革の商品販売とワークショップ
<11/2(日)タイムテーブル>
10:00 開場
11:00 開会(各イベントスタート)
11:05 張山しし踊り演舞
11:10 ハンギ調理開始
12:00 永沢碧衣トークイベント(石蔵会場にて)
13:00 前田鹿踊り演舞+衣装着用体験
14:00 板澤しし踊り演舞+踊りワークショップ
15:15 閉会
15:30 ハンギを食べる(お振る舞いスタイル)
17:00頃 閉場
参加方法・運営のしくみ
●入場料は無料(フリーフェス形式)ですが、運営には皆さまからの“気持ち”が大きな支えとなります。
●「野祭手拭い」は、お気持ちチケットとしての役割も果たします。収益の一部を運営費にあて、補助金に頼らない持続可能なイベント運営を目指しています。
※野祭手拭いのご購入はこちらから▼
https://www.ennichi-shop.com/SHOP/en-p-160.html
●観客の皆さんからの「お花(ご祝儀)」を受け付けます。お花は出演団体の活動資金となります。かつて地域で根づいていた「芸能に感謝を贈る」文化を現代にもう一度根づかせる試みです。
◎郷土芸能団体
●張山しし踊り(岩手県遠野市)
『遠野物語』の著者・柳田国男が実際に遠野で目にしたと言われ、『遠野物語』序文にも登場する団体「張山(はりやま)しし踊り」。その由来は、江戸時代の延宝年間(1673~1680)に張山集落の寅という遊芸好きの老人がお伊勢参りの折に習い覚えて帰ってきて、それに自分の工夫を加えて伝えたものであると伝えられている。 遠野で唯一の白幕を使い、ゆっくりと優雅に舞うのが特徴。幕としし頭には早池峯神社の社紋「剣九曜」を掲げる。見所は、二頭のししが境界を越えて神聖な空間に入り、シンメトリーに踊る「門がかり」。また、一頭の雌を奪い合う「女じし狂い」も圧巻。伝統を大切にしながらも、近年は移住者の受け入れやアーティストとのコラボレーションにも積極的に応じている。
●仰山流前田鹿踊り(岩手県大船渡市)
前田鹿踊りの始まりは貞享年中(1684~1687年)、鹿踊りの始祖とされる本吉郡の四郎兵衛の弟子・善九郎から指南を受けたとされる。これによるならば、市内で最も早く鹿踊りを移入したものとなる。仰山流を名乗る仰山流本吉派とされる由来書が残され、鹿踊りの芸態に因む故事と、鹿踊り移入・継承の経緯が記される。明治の前半は盛んだったが、その後衰微し明治末から大正にかけては赤崎村佐野地域・猪川村久名畑地域を指南するのみで、やがて絶えた。その後も衰微し現在の前田鹿踊りは、昭和52年に復活し、今日に至る。
※当日のワークショップでは、衣装着用体験を行います。
●遠野郷 板澤しし踊り保存会(岩手県遠野市上郷)
会長:佐々木 國允
伝習古文書によれば、弘化三年(1846)に南部公御城屋敷で踊るとの記録があり、それ以前から伝承されていたと思われる。
創始は田子助とその弟村助の両人(上郷村板澤)とされ、別名春日踊りとも称した。江戸時代後期に盛岡南部藩にある橋の渡り初めに踊った記録も残っている。
現在の踊りは、小堀遠州流庭園法の免許皆伝にて城中お抱え庭師であった創始者菊池田子助が、大迫村早池峰神社の庭園作りに出かけた折に、作造という者から巻物を譲り受け、書き写した巻物を殿様に献上した。
その際秘伝とされた絵図面三十六景の庭踊りは、差し出さず保存していた。その絵図面は、「庭相易断踊り」といわれ、「八卦の法」「五行の法」を組み入れた運命相剋判断の秘法の踊りにて門外不出とされている。役踊りには、柱掛かり、四ツ掛かり、雌じし狂いがあり、それは、師子なる「種ふくべ」がししを自在に操って、戯れ楽しむことにより一切の衆生を救うという「師子遊戯三昧」を意図するものである。
※当日のワークショップでは、踊り体験を行います。
◎マルシェ
地元の恵みを味わう料理や、土地で育まれた加工品・ドリンクが並びます
●うたがき優命園[岩手県・江刺]
岩手県奥州市の静かな里山に位置する「岩手里山うたがき優命園」は、1992年から30年以上にわたり、平飼い養鶏や穀物・野菜・果樹などを有機・自然栽培で育て、里山の原風景を守り続けてきました。
森林・草地・畑・田圃が一望できる農場で、生態系との調和を意識した農的暮らしと農業生産を両輪に営み、若い移住希望者の研修や体験も受け入れています。
優命園のミッションは、若い挑戦者のガイド育成と、農村と都市をつなぐ「新しいふるさと」づくり。
当日は、多彩な里山の恵みをお届けします。
・自家製全粒粉と玄米粉、農場で採れた野菜や野草を使って作るお菓子あれこれ
・縁日さんのカフェでもお馴染みの、平飼い自然卵
・自然栽培の梅を天日干しして仕上げた梅干し一年もの
・無農薬無化学肥料栽培の天日干しひとめぼれの擦りたて玄米粉
・昔地域の方々が養蚕用に植えた桑畑を、羊と共に復活させた桑の木から全て手作業で仕上げた桑の実ジャム
●the campus[岩手県・北上]
〈the campus〉は、岩手県北上市と奥州市にまたがる森の中にある「これからの暮らし」を実験する場です。
縄文から続く自然と共にある営みを大切にし、食べ物は自ら採り作り、困れば地域で助け合い、自然に癒される。そんな当たり前の豊かさを体感し、未来を考える学びの場です。
野祭当日は、岩手県産天然きのこのおつまみセットや、和製ボルチーニを使ったきのこチャウダーをご提供いただきます。


↓ マルシェ出店者情報は随時追加していきます! ↓
●プランター[岩手県・水沢]
●cafe 自休自足 [岩手県・一関]
●みちのくコカ・コーラボトリング株式会社[岩手県]
●笹谷民区のみなさん[笹谷地区]
●縁日の小さな蚤の市 [縁日]
◎ハンギ
ハンギとは、ニュージーランドに暮らすマオリ族の伝統料理で、大地に掘った穴の中に熱した石を入れ、その上に食材を入れたのちに、土を被せ蒸し焼きにする調理法です。
大地から授かった食材を大地の力を借りて調理して食べることを通して、『食べる』ことをもう一度考える機会を作りたいと考えます。
大地を踏み土地の邪気を払い五穀豊穣を願うシシオドリが、ハンギの最中に大地を踏み締めて踊ることは、食への感謝の直接的な繋がりを感じることができると考えています。
ハンギはどなたでも無料でお召し上がりいただけます。
調理からの参加も大歓迎です!
できれば食材も持ち込んでいただけるとありがたいです。(食材は根菜がオススメです)
◎イワナ掴み取り
生きているイワナを捕まえ、捌いて食べるまでを体験する食育イベントです。
生き物を食べ物に変える工程を体感し、命への感謝や食べ物を大切にする心を育む機会にしていただければ嬉しいです。
定員:25名
価格:1,500円
当日エントリーのみ(なくなり次第終了)
鹿の解体体験
野祭の当日朝に地元猟友会で狩猟を行い、鹿が獲れれば解体体験を行います。
シシオドリのルーツにもなっている鹿肉を食べることへの感謝と供養の思想を、具現化する取り組みとして開催します。
お子様も参加可能です。日頃の食へ考えが深まる機会になると嬉しく思います。
参加費:無料
予約:不要
◎クラフト
鹿角や熊皮、山の素材を活かした革小物やアクセサリーの販売。
この土地ならではの自然素材を用いたクラフトワークショップもご用意しています。
自分の手でものをかたちにしていく時間は、ただのものづくりではなく、自然と人とのつながりを肌で感じるひとときです。
土地の命をいただいて形にするクラフトは、完成した作品を身につけたり、家に置いたりすることで、祭りの記憶や文化への想いを日常に持ち帰ることができます。
■けもの舎[岩手・盛岡]
Instagram:@kemon0sha
『鹿角をつかったものづくりワークショップ』
ワークショップの詳細とお申込みについては出展者からの情報公開をお待ちください
■ITAZ LEAZER[秋田]
Instagram:@itaz_leather
『熊革や熊爪をつかったものづくりワークショップ』
ワークショップの詳細とお申込みについては出展者からの情報公開をお待ちください
10/26 野祭(前祭)について
11/2に続く前祭として、10/26(日)に小さな祭りをひらきます。
◎永沢碧衣ワークショップ『動物の血でつくるプルシアンブルー』
秋田を拠点に、東北の狩猟・マタギ文化に関わりながら、自らも狩猟者として山に立つアーティスト・永沢碧衣さん。
「生命の根源」を辿り、「人と生物と自然」の関係性を問う絵画作品を制作しています。
土地や素材と深く向き合いながら行われる碧衣さんの作品制作には、解体した熊の皮から膠を抽出したり、動物の血から顔料を作ったりといった、土地の命をいただきながら行われる画材作りも含まれます。
この10月、碧衣さんに縁日に滞在していただき、土地の歴史や風土に触れながら縁日の石蔵で作品制作を行うアーティスト イン レジデンスを開催することになりました。
その一環として開催する10月26日のワークショップでは、動物の血からつくる顔料「プルシアンブルー」を皆さんと一緒に制作し、その色を使って描く体験をします。
永沢碧衣ワークショップ『動物の血でつくるプルシアンブルー』
の詳細はこちらから▼
https://ennichi-satoyama.jp/news/3453/
◎シシオドリワークショップ
岩手に続く郷土芸能の一つ、「鹿踊り(ししおどり)」。
人が「シシ」の姿に化け、大地を踏み清めながら力強く踊られるこの芸能には、命への感謝や供養、五穀豊穣への祈りが込められていると言われます。
装束の一つであるシシガシラ(鹿頭)を着けることで、 人でもなく、鹿でもない、ナニモノカの姿となって、 大地を踏み締め力強く踊ります。
見て楽しむだけの芸能ではなく、自ら踊ることでより深くこの土地の文化に触れることができる。
ダンボールでつくる鹿頭「シシガシラ」でシシに化け、本物の鹿踊りの舞手とともに学び・踊るワークショップです。
シシオドリワークショップの詳細はこちらから▼
https://ennichi-satoyama.jp/news/3453/
野祭グッズ— 祭りを楽しみ、未来へつなぐ —
野祭(のまつり)では、Tシャツやステッカー、手拭いなど、ここでしか手に入らないオリジナルアイテムをご用意しました。
身につけたり飾ったり、日常の中でも野祭の空気を感じていただけるグッズたちです。
これらのグッズは、「お気持ち手拭い」同様に、収益の一部を野祭の開催運営費に充てさせていただきます。
野祭は、なるべく補助金に頼らず、地域の文化や芸能を持続可能なかたちで未来へつなぐことを目指しています。
そのため、皆さんに楽しんで手に取っていただくことが、文化を支える力になります。
野祭に参加される方も、遠方から応援してくださる方も、ぜひ日常に野祭の風を取り入れてみてください。
野祭グッズのご購入はこちらから▼
https://www.ennichi-shop.com/SHOP/387680/list.html
アクセス
アクセスの詳細はこちらから▼
https://ennichi-satoyama.jp/access/
駐車場について
縁日の駐車スペースをご利用いただけますが、台数に限りがございます。
できるだけ乗り合わせや公共交通機関のご利用にご協力ください。
スポンサー企業・団体
●みちのくコカ・コーラボトリング株式会社様
今年で4年連続のご協賛をいただいております。
※毎年出演団体、スタッフ分のドリンクのサポートをいただいています。
●笹谷自治会婦人部
出店者、芸能団体、関係スタッフ全員分の食事として、笹谷自治会のお母さんが豚汁とおにぎりをご用意していただいています。
主催:株式会社京屋染物店
協賛:みちのくコカ・コーラボトリング株式会社 / 笹谷自治会
【お問合せ】
株式会社京屋染物店 縁日
〒021-0041 岩手県一関市赤荻字笹谷275
Mail:info@kyo-ya.net
TEL:0191-34-8030