暮らしのあれやこれや

マタギもんぺ

身も心もシシになる ─ 富川岳さんの夏

遠野の夏、太鼓の音がそこかしこから響く。 シシ踊りの練習は、地域の日常のリズムの一部だ。 縁日の手拭いシャツとマタギもんぺをまとった富川岳さんの姿が、彼が所属する張山しし踊りの練習場にあった。 練習場といってもダンススタジオなどではなく、道路に面した小屋の前。 地域の人々が普段通る場所で当たり前のように練習が繰り返され、バスが通っても誰も驚くことなく自然に眺めている。 暮らしの中に芸能が根づいてい […]

比立内の川と、旅館の囲炉裏と。-マタギの循環する暮らし-

秋田県北部、阿仁・比立内(ひたちない)地区にある松橋旅館。 ここは、かつてマタギ集団が山から戻ると必ず立ち寄り、囲炉裏を囲んで身体を温めたという、マタギたちの“拠点”ともいえる場所。 店主の松橋利彦さんもまた、マタギもんぺ制作に関わってくれた一人であり、長年にわたって地域の山の恵みと向き合い続けてきたマタギだ。 今回の取材では、利彦さんの案内でイワナ釣りから始まり、旅館での料理として提供されるまで […]

阿仁・打当の春、マタギの継承を追って

マタギもんぺジャーニー【鈴木英雄編】 秋田県・阿仁地区。5月半ば、春マタギの真っ只中。 山にはまだ雪が残り、谷間の集落には遅咲きの桜が咲き誇っていた。 今回訪ねたのは、阿仁・打当(うっとう)地区の現シカリ(=マタギのリーダー)、鈴木英雄(ひでお)さん。 「マタギもんぺ」制作時にも協力いただいた方であり、何より伝説のマタギ「空気投げの辰」こと、鈴木辰五郎さんの孫でもある。 辰五郎さんはマタギを本業と […]

阿仁の春に再会した、もうひとつの継承のかたち

マタギもんぺジャーニー【木村望編】 5月初旬、再び訪れた秋田県阿仁地区。 山々にはまだ雪が残り、谷あいの小さな集落には桜が満開だった。 里ではもう散ってしまった桜が、ここでは今まさに咲き誇っている。その季節の“ずれ”が、山の時間の流れをゆっくりと感じさせてくれる。 訪ねたのは、木村望さん。1年前に「マタギもんぺ」を共につくった若手マタギの一人であり、阿仁に先駆けて移住してきた県外出身のマタギでもあ […]

春の阿仁で見た、変わらぬ暮らしと確かな継承

マタギもんぺジャーニー【松橋吉太郎編】 「マタギもんぺ」製作から一年。再び秋田県阿仁地区を訪れた私たちは、春の澄んだ空気の中で、変わらぬ暮らしと静かに進んでいく“継承”の姿を目にした。 まず足を運んだのは、92歳のレジェンドマタギ・松橋吉太郎さんのお宅。あの日、マタギもんぺを共に作り上げた若手マタギたちとともに、再びこの地を訪れた。   阿仁は芽吹きの季節 5月。朝晩にはまだ肌寒さが残るものの、山 […]

蜂谷淳平のマタギもんぺ正直レビュー

縁日の蜂谷淳平です。 昨年の6月のクラウドファンディング開始から沢山の方に履いていただいているマタギもんぺですが、一般販売開始後も沢山の方に手にとっていただき嬉しい限りです。 履いていただいた方々からも『履きやすい』『動きやすい』などなど、嬉しい感想も沢山お寄せ頂いています。 そんなマタギもんぺですが、実際私が履いてみてどうなのか??ということを、良い点や注意点などを踏まえ、正直な感想を皆さんにお […]

SAPPAKAMAとマタギもんぺ、どっちと出かける?

「今日、何を履こう?」 そんなふうに迷う時間も、ちょっと楽しい。 縁日の定番パンツ、SAPPAKAMAとマタギもんぺ。 どちらも東北の知恵を活かした動きやすいパンツだけど、少しずつ違う個性を持っています。   SAPPAKAMA 東北の野良着「猿袴(さっぱかま)」をベースに、日常にも馴染むようアレンジしたパンツ。 やわらかく、履くほどに馴染む生地。ほどよくゆったりしているけれど、裾がスッ […]

マタギもんぺ誕生秘話

自然と共に生きるマタギたち 岩手をはじめ、東北各地には自然との繋がりを大切にする文化がいくつも継承されています。 その一つが、『マタギ文化』です。 マタギとは、クマなどの大型獣を捕獲する技術と組織をもち、狩猟を生業としてきた人たちのことをいいます。 マタギは、巻狩りなどの集団猟を得意とし、晩秋から早春にかけて山に入り、山中に何日も泊まりながら、クマやカモシカなどの大型獣を獲って暮らしていました。 […]

【マタギと語らう会】アーカイブ配信のお知らせ

2024年11月9日に、マタギもんぺクラウドファンディングの企画の一環として開催された『マタギと語らう会』ですが、全国から沢山の方にお越しいただき盛会で終えることができました。 第1部では、田口先生による特別講演『森と狩人の記録』と題して、マタギの今までとこれからについてお話いただき、第2部のマタギトークセッションでは、レジェンドマタギの鈴木英雄さん、若手阿仁マタギの益田光さん、秋田マタギでアーテ […]