暮らしのあれやこれや

南部鉄器が900年間、岩手をポカポカ温め続ける理由とは?

寒さが一段と厳しくなるこの季節、今年の岩手は雪も多く北国らしい冬を迎えています。皆さんはどんな冬をお過ごしでしょうか?
冬は雪かきや寒さ対策など何かと大変な季節である一方、暖かいお家でゆっくり過ごす時間が一段と楽しくなる季節でもあります。
鍋やコタツや湯たんぽなど暖かいモノに自然と笑顔が溢れ、心もホッコリ温まるそんな季節。
何気ないひと時に大きな幸せを感じる事ができるのも冬の醍醐味ではないでしょうか?
今回ご紹介する南部鉄器はそんな『冬の巣ごもり生活』を、より一層楽しく丁寧にしてくれる北国岩手が生んだ道具です。
南部鉄器でゆっくり温めたお湯は、体も心も芯までポカポカに温めてくれます。
南部鉄器は丈夫で永く使うことができ、使うたびに鉄分を補給することができるので女性を中心に国内外の多くの方にご愛用いただいています。
『縁日』で扱っている南部鉄瓶は、南部鉄器の一大産地である岩手県奥州市水沢羽田町に店を構え、昔ながらの製法に愚直にこだわり続けている『佐秋鋳造所』で作られた質の高い一品です。
南部鉄器が岩手で作られている理由や、佐秋鋳造所が今も守り続けているこだわりをご紹介させていただきます。

南部鉄器の歴史

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi羽田町の南部鉄器の歴史は、平安後期に、藤原清衡が滋賀県より鋳物師を招いて始めたのが南部鉄器が羽田に伝わった始まりとされています。なぜこの地域で900年以上も南部鉄器造りが盛んと行われてきているのかというと、それは土地の自然環境が大きく関わっています。

引用:種山から北東を望む
引用:種山から北東を望む

羽田町の後背地にあたる北上山地では良質な砂鉄と木炭が取れ、しかも鋳型材料として使う質の良い砂と粘度が容易に手に入れられることが羽田町で今尚鋳物業が栄え続けている理由です。羽田町は高品質の鋳物を作るための好条件が全て揃っている土地です。この時代の鋳物師は「歩き筋」と呼ばれるように、必要に応じて地域を転々することが一般的でした。需要主である清衡が平泉に移ると彼らも一緒に平泉に移っていきました。実際、奥州藤原氏の時代の遺跡からは鋳型が出土しており、中尊寺を始めとする寺院などの備品も鋳造していました。羽田に鋳物師が定住するようになったのは室町時代初期で、江戸初期には地域に鋳物業が定着していきました。1683年(天和3年)に鋳物業を興した及川喜右衛門光弘という人が、中興の祖と讃えられている。以後、仙台藩の庇護を受け、鉄鍋、鉄釜を中心に、仏具なども生産し、幕末には大砲も鋳造するようになっていきました。
今では

佐秋鋳造所の紹介

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi

縁日で扱っている鉄瓶『ゆるり』は、羽田町に工房を構える佐秋鋳造所が手掛けるオリジナルブランドの商品です。
佐秋鋳造所は南部鉄器の中でも鉄瓶に特化した鋳物を制作している工房です。
鉄器業界も機械化による量産体制が主体の中、今尚900年前と同じ製法にこだわり鉄瓶を造り続けています。
非効率とも言える手作業に、なぜここまでこだわるのか?
そこには大きな理由があります。

900年間、変えることのないこだわり。

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi

南部鉄器の鉄瓶と聞くと真っ先にイメージするのは、「あられ模様」の鉄瓶ではないでしょうか? これは『いがぐりあられ』という模様で、昔から使われている南部鉄瓶の最もオーソドックスな模様です。
この模様の由来は諸説ありますが、あられ模様は『霰(あられ)が降る景色を表現したもの』と言われています。
雨より小粒な霧雨が降っているような霞のかかった景色。それを細かな”てん”で表現しています。
佐秋鋳造所では、この”てん”は何と一つ一つ手作業で付けていきます。
南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi
機械化が進み今では一気に点をつける工場が殆どですが、今尚手作業でこのあられ模様を一つ一つ付けています。
手作業のため、不揃いで一つ一つ違った表情の鉄瓶が出来上がるのが手作業ならではの魅了です。
どんな鉄瓶がお手元に来るのかは、まさに一期一会の出会いです。

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi

そして仕上げの加工も昔ながらの”天然漆の焼き付け仕上げ”にこだわっているのが、佐秋鋳造所の特徴の一つです。
南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi
量産が主流になった鉄器業界で、この天然漆の焼き付け仕上げを行なっているのは業界全体の約1割以下。
“天然漆の焼き付け仕上げ”は、職人の技術と、時間を要する仕上げ方法です。
佐秋鋳造所がこの仕上げにこだわる理由は、”天然漆の焼き付け仕上げ”でなければ出せない「漆黒の重厚感のある色味」を出すため。
ご使用いただく中で「より深みのある味わい」に表情を変えていく、鉄器本来や味わいや経年変化の楽しみは、塗装仕上げでは出すことができないため、今尚手間隙を惜しんで昔ながらの製法にこだわっているのです。
佐秋鋳造所が作る『ゆるり』の鉄瓶は、900年前に藤原清衡が使ったものと変わらぬ製法で作られている鉄瓶です。

冬を楽しくしてくれる魔法の鉄瓶

南部鉄器は大切に使えば一生使うことができる道具です。
毎年来る冬の寒さを楽しみに変えてくれる良き相棒になってくれます。
本物の南部鉄器と共に丁寧な冬の暮らしを味わってみてはいかがでしょうか?

いがぐりあられ

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi
『容量』
満水容量:1.2ℓ
使用容量(8分目容量):1ℓ

価格:33,000円(税込)

商品ページはこちらから→いがぐりあられ

 

鶴首片手鉉

南部鉄器 佐秋鋳造 縁日 en・nichi

『容量』
満水容量:0.7ℓ
使用容量(8分目容量):0.6ℓ

価格:46,200円(税込)

商品ページはこちらから→鶴首片手鉉